【ねこま手順 ⑤】取り巻く環境をPEST(外部環境のマクロ分析)で整理する

PEST(外部環境分析)
Aマーケティングパート
手順2
手順1を踏まえ、商材の買い手になるターゲットを明確化する(どの層の顧客のニーズに応えていくのか明確化する)
商材の買い手になるターゲットを明確化(どの層の顧客のニーズに応えていくのかを明確化)するには、手順1の結果を念頭に置きながら、誰がどのような用途で利用するのかを考え、外部環境の変化をマクロ(PEST)とミクロ(5フォース)の視点から分析し、自社の商材の特長が最も生かされ、競争優位性が確立されるターゲットに対して施策(3C)を考えていくことになります。
⑤取り巻く環境をPEST(外部環境のマクロ分析)で整理する

【ケーススタディ・森の村が「売上アップホームページ」のデザインにチャレンジ⑤】取り巻く環境をPEST(外部環境のマクロ分析)で整理する編

あらいぐま
あらいぐま

では第2段階のターゲットを明確化することに進みましょうか。手順1で満たすべきKBFを明確にしたので、次に打ち手を考えることに進みます。どんな層にアプローチしていくかを決めていきます。それには現在のマクロ環境の把握(PEST分析)、現在のミクロ環境の把握(5フォース)、これから狙っていきたいターゲットの明確化(3C)の手順で進めるそうです。ではマーケティングに影響を与える外部要因(マクロ環境)を把握する手法の一つであるPEST分析をしてみましょうか。あくまで明確にしたKBFに関連して分析しないとだめですよね。

いのしし
いのしし

Politics(政治)としてはロシアによるウクライナ侵攻の影響もあって物価高が続いています。また、中国の日本産海産物の輸入制限で巨大販路が急に消滅してしまった品目もありますよ。アメリカ発の関税上昇の影響がすごくなりそうです。
国内では人手不足で人件費も上がっています。EUなどが先行しているカーボンニュートラルの取り組みが、日本国内でも大企業から対応が進んできています。自治体でも2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明しているところが1122団体にのぼります。
物価や輸送費が高いとか、輸送で二酸化炭素が出るとかそういうことを踏まえると、グローバル化で世界中からより安い原材料を集めて組み合わせて商品化するというのとは反対に、国産品の国内消費のニーズ、それも生産地と消費地が近いというニーズが増えそうに感じます。
村は環境保護活動にも熱心ですから、村自体の環境活動や物産の生産過程できちんとカーボンクレジットを取得すれば、クレジットを買って超過分をオフセットしてニュートラルに持っていきたい需要に応えられますから、村の物産は特にBtoBtoCにおいてクレジット×食の安全安心×環境保全活動に魅力を感じる企業の社食とか、外食チェーンとか、ホテルチェーンとか、デパ地下とかの大口の需要に応えられるような気がします。エシカル消費を軸にした企業のイメージアップやブランディングにもつながるものとして受け止められるのではないでしょうか。めぐりんのブランドコンセプトにも合致します。

いぬ
いぬ

Economic(経済)ということでは、食品も国産と外国産の価格差が縮んで、なおかつ全体的に上がっていますから、むしろ安全安心を打ち出しても驚くほど高すぎるという受け止めにはならないのかもしれないですが、ただ物価高が始まる前より食卓の品目数を減らすとか量を抑えるとか、ニーズ減少の可能性もありますよね。
働き方改革で年末年始とか休める人が増えていますし、コロナ禍を経て飲み会が精査されて家で大切な時間を作る人が増えてもいますから、おせちということで考えるならば、BtoCにおいても、食の安全安心を打ち出して特別感を増したものならちょっと高めでもニーズはあるような気がします。
単身世帯が増えていて、旅行や日常のイベント消費もお一人様で実施する人が増えています。推し活消費の存在感が高まってきています。コト消費、映えコノミーもまだまだ旺盛です。為替の関係で海外旅行が高級品になると同時にインバウンドが増えていますので、この取り込みの対応も考える必要がありますよね。特にビーガンみたいな層のニーズはあるのかなという気がします。体験型×映えが好まれるなど特徴をおさえておくことも大事です。

うさぎ
うさぎ

Social(社会)ということでは、PFASとかPFAOなどが混入した水や土壌の問題への関心が高まっています。食の安全安心に対しても依然として、低農薬や無農薬、遺伝子操作をしていない素材や、加工の段階で添加物を入れていないものは健康志向の人、アレルギーが出る人や持病がある人、素材そのものの良さを求めている人などにニーズがあります。
地方創生関連では、関係人口を増やすことへの関心が高まっています。特定の地域でオーバーツーリズム問題、同時に需要を取り込めていない地方の良さをもっと発信して、もっと国内をバウンドしてもらおうという動きもあります。こうしたことを踏まえると、いろんな意味で周辺自治体と競争ではなく共存共栄に向かうのがいいのかなと感じます。部分最適でボトルネックが生じて損失や損害を受けるのなら、もっと面的に全体最適を探って平準化していったほうが、消費側にも生産側にもロスや負荷が減るメリットがありますし、時間軸で見ても持続可能なものになるのではないでしょうか。めぐりんのブランドコンセプトと合致します。
例えばさっき、ビーガンとか体験型×映えとかキーワードが出てきましたけれども、KBFに即して、加えて村の今あるリソースの横断的な有効活用という観点で考えますと、例えば生産組合が婦人部向けに保有している加工所で婦人部の皆さんが味噌の仕込みや新そば打ち、ベーコンやハムなどの燻煙、変わり巻きずしなどを自家消費用に集まって作っているじゃないですか、ああいう施設はすでに免許類を取得済みですし、設備も整っていますから、旅行者や村外の人も体験型とかサブスクとして同様に利用して稼働率を上げていくとかできますよね。周辺自治体の宿泊施設を利用した人が2~3時間程度で手軽に体験できるプログラムになるんじゃないでしょうか。注目地方都市としてすでに旅客が集まってきている近隣都市や、大型の宿泊施設から大体20分圏内くらいなので、送迎サービスがあると来やすいですよね。同様に絶景の中の歴史あるお寺で自然と一体化した座禅体験とか、ビーガンなどの希望者には精進料理体験とか、窯元での陶芸体験とか、廃校で趣味の会で開いているかごやねこつぐらづくりを体験型プログラムにしてみるとか。
ほかに、時短調理への関心が高まっていますよね。調理済みのお惣菜やお弁当をそのまま食卓に並べたいというより、ミールキットのような必要な材料がセットになっていて具材は切ってあり仕上げだけを家庭でするとか、お惣菜にちょい足し調理するとかして、半調理済みのものを作り立てで自分好みのものに加工したいニーズの表れと思います。日本能率協会総合研究所が公表しているミールキットの市場調査によると、2024年度のミールキット市場は約1,900億円でデータで示す18年度の1100億円から毎年増加してきています。「料理を手作りする意向と、調理時間の短縮意向を同時に叶えることができることから、共働き世帯を主要顧客とする。2013年頃から、EC・宅配事業者、小売業者、調理家電メーカーなど、様々な業種の企業が参入している。ユーザーの利用頻度増加や、新規ユーザーの獲得、販売チャネルの充実化などが進むことで、市場は拡大傾向の見通し」と分析しています。

うし
うし

Technology(技術)としてはまず、アピールしたいことをPRしやすくなっていますよね。WebサイトとかSNSとかで誰でも安価に発信できるようになりましたし、キーワードの設定をきちんとしておくとか、一つ一つのコンテンツをきちんと作るとか、そういうことも初心者でもきれいにできるようになりましたから。お金をかけられる余裕があるならキーワードに反応する有料広告とかありますし、お金をかけなくても記事コンテンツがきちんとしていればロングテール効果が期待できます。生産物のパッケージにつけたバーコードなどを読み取ると村のチャンネルのおいしい調理方法の紹介にダイレクトに行けるようなことも容易にできるようになりましたから、そうしたPRも低コストでできるようになりました。
生産の国内回帰でも生産コストを抑えて大量生産できるところは強いと思いますが、村のように農薬などの化学物質を使わなかったり、遺伝子組み換えを扱わなかったりすると、生育過程で手間暇もプラスしてかかっている一方で収穫量は減りますから単価が高くなってしまうのですが、そこに対しては農業生産や加工にIoTとかAIとかを活用して無駄が省かれるようになってきましたので、みんなでこうした機材や情報を共有していけばもっと効果が上がるのかなという気もします。

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