
Aマーケティングパート
手順1=自身の商材の特性を知る(扱う商材は、どのようなお客さまが、どのような理由で買っているのか知る)
商材を知る、つまりお客さまがなぜその商材を選んでいるのか理由(KBF=Key Buying Factor:重要購買決定要因)を知るには、顧客と接している販売や営業の担当に聞いたり、口コミやアンケートを調べたりするなどして、その結果を5W1Hで定量的に整理してみる、現状のマーケティング戦略を4Pで整理してみるなどして把握します。
③どんな人がどんな理由で買っているのか5W1Hで整理する
商品を知る、つまりお客さまがなぜその商品を選んでいるのか理由を知るには、顧客と接している販売や営業の担当に聞いたり、口コミやアンケートを調べたりして5W1Hで整理してみる、現状のマーケティング戦略を4Pで整理してみると、把握の助けになります。
このとき、マーケティングで重要な考え方のひとつ、KBF(Key Buying Factor:重要購買決定要因)を念頭におくとよいでしょう。顧客が数ある商材の中からなぜ自社の商材を選んでくれたのか、購買に至った重要な決定要因を明らかにすれば、自社商材の強みや競合と比較した際の独自性が明らかになります。
そのさいに気にしておいたほうが良いことは、KBFは顧客によって変わるということと、KBFごとに対応策も変わるということです。
例えばICレコーダーを会社員が購入する場合と主婦が購入する場合で考えてみましょう。会社員は社内会議や取引先との打ち合わせなどを録音して議事録を作るので、KBFは小型でバッテリーの持ちもよく、複数の発言者の聞き分けもできて、音声から自動で文字お越ししてくれることなどでしょう。主婦はコーラスなどの練習用として自宅や練習場で使うので、KBFは小型でバッテリーの持ちもよいことは同様として、ほかに録音や再生の音質が良かったり、気分が上がるような色遣いやフォルムだったりすることなどでしょう。
またICレコーダーの潜在需要がある会社員は「議事録 時短」などと検索しているでしょうし、それが主婦の場合は「コーラス ABリピート ポータブル」などとなるでしょうから、リスティング広告もよいかもしれません。広告ということであれば、会社員の場合は貸し会議室を検索する人やプレゼンの手順を検索する人、主婦の場合はステージ映えして崩れにくいメイクを検索する人やのど飴を検索する人などへのアプローチもよさそうです。
また、広告でライバル企業の予算には勝てそうにないということでしたら、ICレコーダーを使う人、ターゲット層に役立つ記事コンテンツをつくるということも有効です。会社員向けでしたら、議事録作成がより時短になり内容のブラッシュアップにつながるICレコーダーの設定はどうすればよいのかとか、主婦向けでしたらどのモード設定でどのくらいの距離の場所において録音するのが良いかとか、使い方のヒントとなる記事コンテンツです。記事コンテンツを公開したからといってすぐに集客、売上で効果があるわけではありませんが、有用なコンテンツは資産になるので、ロングテール効果が期待できます。
それでは5W1Hからやっていきましょう。4Pは次項(④商材をどう市場に販売しているのか4Pで整理する)で紹介します。
顧客を定量的に分析する手法の一つとして、さまざまな切り口での売上の集計があります。そのときに役立つツールの一つが5W1Hです。
5W1Hつまり「Whenいつ」「Whereどこで」「Who誰が」「What何を」「Whyなぜ」「Howどのように」の6つの要素で整理集計するだけでもさまざまなことが見えてきます。
現在の顧客について、5W1Hを考えるとすると、つぎのようになります。
When どのタイミングで購入したのか
Where どこで購入したのか
Who どのような属性なのか
What 何を購入したのか
Why なぜ購入したのか
How どのような商流で購入したのか
切り口ということでは、
Whenは季節別、月別、曜日別、時間帯別など
Whereは都道府県別、市町村別、自社サイト経由、ECショッピングモール経由、アフィリエイトサイト経由など
WhoはBtoCであれば新規購入者・リピーター別、男女別、年代別、既婚・未婚別、子供有無別など、BtoBであれば販売した価格別、業種別、顧客企業の売上規模別、顧客企業の社員数別など
を念頭に置くとターゲットがより明確になります。
例えば手軽に冷水や温水が利用できる(Why)ウォーターサーバーと水(What)の通販(Where)ビジネスで考えてみるとすると、
年齢(Who)と新規・リピーター(Who)、流入経路(How)を集計した結果、新規契約は20代・30代はSNS経由、40代はサーチエンジン経由、50代は電話、リピーターの水注文は全世代で電話が多くなったとすると、売上をアップするにはSNS露出を増やすとか、あるいはホームページがわかりにくいので新規・リピートともサーチエンジン経由が少なく電話が多くなっているとも考えられることから(つまりホームページに来てくれたお客さまの離脱率が高く売上に結び付いていないことも考えられることから)ホームページのアクセス数やヒートマップなどもみながら、わかりやすいページに改善するとかの対策の手掛かりが見えてきます。
顧客が事業所・個人別(Who)で納品希望日(When)を集計した結果、事業所では月曜日、個人では土曜日の希望が多いとすると、売上をアップするには「金曜日のご注文でも月曜日午前中に事務所にお届け」「金曜日のご注文でも土曜日にご自宅にお届け」などのひとことをホームページで目立たせるなどの対策の手掛かりが見えてきます。
季節(When)で顧客が事業所・個人別(Who)で集計した場合、夏場が多く、冬場が少ないとすると、売上をアップするには、冬場でお料理に使う時短レシピを紹介するなどの対策の手掛かりが見えてきます。
顧客が事業所・個人別(Who)でなぜ(Why)導入したか・継続使用するのかで集計すると、事業所は注ぐときにこぼれにくいので手入れや周囲の掃除が楽になる、個人は注ぐときにこぼれにくいのでこどもやお年寄りにも使いやすいなどが多いことから、売上アップをするには、注ぎやすくてこぼれにくい設計の工夫をしていることをホームページで目立たせるなどの対策の手掛かりが見えてきます。
つまり、5W1Hで顧客を定量的に整理・分析することで、KBF(顧客が数ある製品・サービスの中からなぜ自社の製品・サービスを選んでくれたのか、購買に至った重要な決定要因)を明らかにすれば、自社商材の強みや競合と比較した際の独自性も明らかになりますので、売上アップにつながる対策の手掛かりが見えてきます。
【ケーススタディ・森の村が「売上アップホームページ」のデザインにチャレンジ③】どんな人がどんな理由で買っているのか5W1Hで整理する編
③森の村の5W1H編

村のおせちの訴求ポイント、強みを知る。手順に沿って話が進んできましたね。まずは手順1で商品を知る、つまりお客さまがなぜその商品を選んでいるのかを知る、手順2でそうすると次にどういう顧客層をターゲットに商品を売るのか絞り込める、手順3でそして最後にその顧客の購買行動に伴奏する売り方をする、というような大きく3つの手順で進めるようですよ。

手順1はつまり、マーケティングで重要な考え方って紹介されているKBF(Key Buying Factor:重要購買決定要因)ってことですよね。顧客が数ある商材の中からなぜ自社の商材を選んでくれたのか、購買に至った重要な決定要因を明らかにすれば、自社商材の強みや競合と比較した際の独自性が明らかになるって。

それを知るには、顧客と接している販売や営業の担当に聞いたり、口コミやアンケートを調べたりして5W1Hで整理してみる、現状のマーケティング戦略を4Pで把握すると書いてありますね。まず5W1Hからやっていきましょうか。

ただ、村のおせちは構想段階でまだ販売していないので、お客さまは村の特産品や生産物をなぜ買っているのか、と置き換えてみましょうか。おせちの中身は村の特産品や生産物にするんですから。

村外の情報はお客さまが寄せてくれるアンケートや注文件数の集計などが頼りですね。村内の皆さんは村の特産物や生産品をどういう理由で買っているのでしょうか。

まず村民からですが、普段の会話からすると、ほぼ毎日(Whenいつ)、村内の直売所や生産組合のスーパーあるいは道の駅などで(Whereどこで)、自身や家族が(Who誰が)、自家消費用の村内生産物を(What)、相対取引で現金やキャッシュレスで(How)購入するってことだと思うんですけれど、ここで一番ポイントは数ある商品の中からなぜ(Why)村内生産物を選ぶのかということですよね。

安全安心が一番大きなポイントじゃないですか。誰がどこでどのように生産したり加工したりしているかみんな知っていますから。つまり有機栽培とか農薬を使っていないとか、添加物を使っていないとか、村内の名水で育てているとか加工しているとか。どんな頻度で土壌や水質、品質などを確認管理しているとか。作り手が自家消費もしていますし、作り手の顔が見えているので、間違ったものが混入するはずがないっていう信頼感もありますよね。

口コミやアンケートをしてくれているのはふるさと納税や産直で取り寄せてくれている方なんですけれど、村外の方も安全安心が大きいポイントみたいですよ。口コミとかアンケートを見ると、100選の名水で無農薬で育てているとか、無添加とか、生産者さんの名前が書いてあるとか。私たちには当たり前のこと過ぎて慣れてしまっていることなんですけれど、良い環境で育てられているせいか農産物の味や風味が濃くておいしいとか、収穫後にすぐに売ってくれるので瑞々しいし味や風味が濃くておいしいっていうのもありますね。こういうことが喜ばれるんですね。酪農製品などもアニマルウェルフェアを重視して食べ物も育て方も低ストレスにしていますから、グラスフェッドの乳製品やお肉、卵などのおいしさが安全安心に加えて評価されています。農薬や添加物が強いとアレルギーで苦しくなるので、低農薬無添加のものを探しているとの声や、塩分制限があるのでそもそもの農産物自体が自然で味が濃くておいしいから助かっているという声もありました。

選ばれるポイントは村の内外ともに安心安全と素材そのものの味というのが圧倒的に多いということなんですね。ただ、村内の人は普通に消費していますけれど、村外の人で産直で取り寄せてくれている人は、おいしい食材を求めているという人に加えて、健康志向であるとか持病の関係で食事の制限があるとか、そういう理由を持っている人が多い特徴がありますね。

村外の人はふるさと納税の村の物産詰め合わせを取り寄せてくれていたり、道の駅や直売所から産直通販で買ってくれていたりしているようですね。リピートしてくれている人が多い特徴があります。道の駅や高速道路のサービスエリアの直売所に出していたものを購入してくれたのがきっかけのようですね。

もうちょっと細かく見ると、直売所とか産直通販では農産物や卵、乳製品が売れていて、ふるさと納税ではお肉関係が売れているようですね。グラスフェッドで赤身がおいしいというのが受けているみたいですね。鳥も放し飼いでうまみが強いというリピートさんのアンケートがあります。

一方、村外で、市場に出荷したものが量販店を通してお客さまが手にするケース、量としては一番多いところをどうとらえるかですよね。お客様の声がわからない。
環境保護や安心安全という観点で買っている顧客は村内外とも直売ルートで、満足度も高く、値崩れもしにくい。他方、市場に出して量販店や食品加工場を通して手にする顧客は環境保護や安心安全ということは知らなくて、大きさのばらつきや形が悪いので扱いにくいというような観点で、流通で値崩れしやすくなっているので、低価格で買っているということですね、しかも量的にはこちらのほうがずっと多くて大部分です。
環境保護や安心安全という観点で村の商材をブランド化していくのがひとまず急がれるんじゃないでしょうか。