
Aマーケティングパート
手順1=自身の商材の商品特性を知る(扱う商品は、どのようなお客さまが、どのような理由で買っているのか知る)
商材を知る、つまりお客さまがなぜその商材を選んでいるのか理由(KBF)を知るには、顧客と接している販売や営業の担当に聞いたり、口コミやアンケートを調べたりするなどして、その結果を5W1Hで定量的に整理してみる、現状のマーケティング戦略を4Pで整理してみるなどして把握します。
②その商材の現在地をプロダクトライフサイクルで整理する
プロダクトライフサイクルで、商材の寿命における現在地を確認しましょう。プロダクトライフサイクルのステージによって、商材のおかれている状況は異なりますから、対応策も変わってきます。
プロダクトライフサイクルは、1950年にジョエル・ディーンが提唱した理論で、その商材が市場に投入されてから、衰退するまでの売上と利益の変遷を4つの段階で説明しています。
1・導入期:商材を市場に投入する段階
誰もその商材がどのようなものなのか知らないので、自身の何らかの課題解決にその商材が寄与するとは結びつかず、検索されることがまだ少ない段階です。そのためプロモーション戦略は啓蒙活動がメインとなり、その商材自体を啓蒙するようなコンテンツやプロモーションが求められます。その商材の認知を高め、市場拡大をさせることが最優先課題なので、その商材の開発費に加えて広告宣伝費もかかり、利益はほとんど出ない段階です。
2・成長期:売り上げと利益が急拡大する段階
競合他社も増加します。使用する人が増えるにつれ、消費者ニーズも多様化するため、商材の改良や差別化戦略をし、プロモーション戦略でこれらの特長を強調して、自社商材の市場浸透を目指します。
3・成熟期:売り上げと利益が頭打ちになる段階
市場の成長が鈍化します。成長期に強調した特長が陳腐化し差別化できなくなるので、上位企業にとってはコスト優位性を生かしてシェアを維持することが重要な課題で、下位企業にとっては生き残りをかけて、特定ターゲットをねらったニッチ戦略が重要になります。プロモーションとしては、無料クーポンや他のサービスの割引など実利的手段に移行します。
4・衰退期:売り上げと利益が減少する段階
値引き競争が頻繁に行われます。投資を抑えて効率性を高めながら、既存顧客を維持することが重要な課題になります。最低限のプロモーションで売り上げを確保することを目指します。
よく使われている例ですが、携帯電話で見てみましょう。
導入期では誰も携帯電話自体を知らない段階ですので、携帯電話にカメラ機能がついていることや、ウォークマンのように音楽を聴くことができる機能がついていることを訴求することよりもまず、移動しながら電話できるという今までにない利便性を訴求することが何よりも大切です。
そうすることで、顧客は自身の携帯電話の活用シーンをイメージできるのです。
携帯電話がある程度普及すると成長期に入ります。この段階では本体が小型で軽量とか、バッテリーが長持ちするとか、電波がどこでも良く入るとか、そういった差別化が訴求します。
成熟期に入ると、製品や機能についての差別化が効きにくくなってくるため、特定の通信キャリアと契約すると電気代やガス代が安くなるとか、ネット動画サイトが1年間無料とか、付加価値が訴求してきます。
今はスマホの電波がどこでも良く入るというのは当たり前なので訴求しないのですが、それに対して格安スマホであれば、成長期にあるので、「瀬戸内海のアートな小島から映える投稿がすぐにできます(格安でも電波のカバー率が高くキガも大盛)」という訴求が可能になるのです。
商品の現時点のステージによって、訴求するものやマーケティング・コミュニケーションは変わってくるのです。
【ケーススタディ・森の村が「売上アップホームページ」のデザインにチャレンジ②】売る商材のプロダクトライフサイクルを整理する編
②森の村のプロダクトライフサイクル編

そもそもなんですが、おせちってこれからも売れるのでしょうか?おせち市場に成長性はあるのかな?

どんなふうに売れば良いのかよくわかりません。

このプロダクトライフサイクルで整理してみましょうか。商品の寿命における現在地を確認できるそうですよ。プロダクトライフサイクルのステージによって、商品のおかれている状況は異なりますから、対応策も変わってくるそうです。

おせちって昔からあるので、周知度は高いですよね。

ただ、自分の家で作るのではなくて、できたものが売っていて、一般の人も買えるってなってからはどうでしょうか?つまり、それぞれの具材の持つおせちの意味とかの周知とか、あるいはいろんなタイプのおせちが売り出されているので、おせちの種類の周知とか。なんていうか自分好みのおせちを絞り込んでいくうえの手助けとなる情報の周知っていうのかな。

旧来の自作のおせちはおそらく衰退期に入っているような感じなのかと思います。ただ、一周回って10年後には自作おせちが成長期に入ってくるっていう可能性がないわけではないですけれど。現在地補正すると衰退期という気がしますよね。

一方、購買おせちは成長期でしょうか?成熟に近い成長って感じになりますか?

市場は過熱している感じですけれど、ただ、みんなお正月はおせちを食べていた昭和の時代とくらべると、おせちを食べる世帯も減っているようですから、そういう意味では拡大余地はまだある感じはします。

売り方がどの段階かといえば、おせちそのものの差別化に目を向けると成長期って感じもしますけれど、つまり有名料理人のプロデュースとか、あるいは高級料亭や百貨店コラボとか、量を多めにしているスーパー系とか、品目数を増やした通販系とか、プロモーション戦略として商品自体の特長がまだまだ強調されていますし。一方で早割とか、年越しそばプラスとか、もはやおせちそのもの自体の差別化が難しくなってきて実利的手段による付加価値付けするところも現れていますので成熟期に入ってきているとも言えますよね。

そういう意味では、差別化にしても、実利的手段にしても森の村のおせちはどんな訴求ポイント、強みがあるんだろう。