Aマーケティングパート
Aマーケティングパート手順0
商材の特定(何を売るか、決まっていない場合はここからスタート。決まっている場合は、つぎの「手順1②その商材の現在地をプロダクトライフサイクルで整理する」からスタート)
①リソースを棚卸して、販売する商材を見極め、発売に向けたタイムテーブルと会計表をつくる
まず、保有している資源(特に経営資源の人・モノ・カネ・情報)を表に書き出します。
保有資源を活用して何ができそうか書き入れます。
その時に生産能力がどのくらいかも考えます。
例えば、モノがカメラや家庭菜園、人がご夫婦二人とねこちゃん、情報が撮影ノウハウやお料理のノウハウ、カネが〇○円だとします。
ここから何ができそうか――、家庭菜園の収穫物の販売、お料理教室、写真画像の販売、カメラ教室などがまず思いつきます。そして、カメラのノウハウ×お料理のノウハウで、お料理の写真の上手な撮影方法などを商材にしながら、お料理の情報発信もきれいな写真でできますから、コストも抑えられます。ねこちゃんのかわいい写真や、ねこちゃんがよろこぶヘルシーなごはんなども同様でしょう。
販売する商材が決まったら、ホームページでの販売開始に向けて、何をいつまでにどのように準備していくのか、タイムテーブルを作っていきます。このときに、商材の関連も念頭におくとよいでしょう。ノウハウBがネットで売れると、商品Aが店舗で売れ、関連のノウハウCがネットで売れるといったことです。
【ケーススタディ・森の村が「売上アップホームページ」のデザインにチャレンジ①】リソースを棚卸して商材を特定する編
①森の村のリソースを棚卸して商材を特定する編
春がまだ浅いその日、豊作を願う村の大切な行事にみんな集まりました。厳かに進行するなか、隣町の近況が話題をさらいます。都会の会社と支援契約を結んだら、急に町が潤ったという噂は近隣に広まっていました。閑散としていた町の博物館には大型バスが乗り付けるようになった。ふるさと納税額も急伸。そして町営のスキー場も雪どけを待って再開発が始まり、夏にはオールシーズンのリゾート施設としてリニューアルオープンする――などなど。
一方この村はこのままでいいのかな?心配な声が聞こえはじめたころ、村長が語りはじめました。

人口減少が止まらない。これといった産業もない。日本人も来ないし、インバウンドも来ない。ふるさと納税もいまひとつ。埋没している。そしてお金もない。これからどうしていくのがこの森の村のためには良いのか。まず村民みんなで話し合いたいと思っているので協力してほしい(ぺこり)。

隣町と同じことはできないと思います。すごくお金がかかるようですし。

確かにそうですよね。支援契約費に加え、その支援計画を実行していくためのプラス費用、例えばプロモーションにおいて継続的な広告宣伝費とか、再開発の費用とか。

村からお金が出て行った以上に、村にお金が入ってくれば良いんじゃないかとも思えますが。

誰に入るかっていうことも考えておいたほうが良いですよね。もし税金を使うってことであるならば、その結果として一部の人たちだけが恩恵に与るっていうことになってしまうと・・・。

契約費とかもろもろ初期投資が100円で、年間ベースで村外に支援関係の事務費用や手数料などの固定費1円支払って、村内に変動的に2円くらい入ってくるとしたら、数字的には2倍だから大きく見えるけれど、100年たってようやく村外に100円+1円×100年=200円、村内に2円×100年=200円でトントンじゃないですか。本当に利益なんか出せるのか不安なんですけれど。

時間の経過とともに当初計画も陳腐化していきますよね、そうするとまた計画の見直しに追加費用が必要とか言うことになってくるわけでしょう、きっと。当初100年だったものが、どんどん伸びていくような・・・。

いろいろやっても、結局は村外にお金が流失するだけなら、最初から何もしないほうがいいのかも・・・。いろいろ補助がたくさん出るんだけれど、そういうものに取り組んで地方同士が競争してその過程であるいはその結果として本当にその恩恵を受けられるのは当事者の地方に根差した住民なのかなって気がするんですよね、村は補助が貰えるんだけれど、結局それはそっくり村外に諸契約で付け替わって出て行って、村にはお金も入らなしノウハウも育たないっていうことを心配してしまうんですけれど。

でもだからといって何もしませんとなってしまうと、基幹産業が役場、みたいな状態がもっと強烈になるんじゃないのかな?会社でいえば、お金を稼ぐ営業や開発の部門がいなくなって売上もないのに、経理とか総務の部門は存続しているから経費だけはかかるような状態に。

そういうことでいえば、私たち村民はどういう生活を望んでいるのか、ということにかかわってくるんじゃないのかな。例えば、移住先の村として生き残るのか、リゾートの村として生き残るのか、工場を誘致して生き残るのか、とか。そういうのはどれも投資が多めに必要そうだから、新規投資とは別の方向で、人口規模が縮んでもみんなが普通に生活ができる水準をキープしていくことを目標に、例えば横の協力を進めて手持ちの資源の有効活用で生き残っていくとか。

最後のそれ、ちょっと興味があります。それって、まず、私たちが主体的にやってみるってことですよね。

話を整理するために、誰か書き出してくれたら嬉しいな。よくドラマで刑事が白板に書いて視聴者に説明するああいうの、あれがあるとみんながわかりやすいんじゃないかな。

急に言われてもやり方とか手順とか、いろいろいろいろどうすれば・・・。そもそも交番でそういうことはあんまり・・・。

そうだ!みんなスマホ持って来ていますよね!みんなで調べながらやりませんか?この公民館はWi-Fiだと無料でつながりますよ!つなげ方わからない人、今からみんなでつなげましょう!

どれどれ、あ、このねこのホームページにそれっぽい手順があります。ねこがマーケティングとかホームページづくりとか説明してくれるそうですね。

売上を増やすホームページをデザインするふくねこデザイン事務所?製作系のホームページ事務所というよりコンサル系のホームページ事務所みたいですね。マーケティング戦略に沿ってホームページやSNSなどのWebを運用して、売上アップにつなげていく手順を紹介しています。ひとまずこのねこマーケティングの手順でやってみてもいいんじゃないですか!

そうですね。村の産直サイトをもう少し活性化しようって話にもなっていたところですから、ついでに今日話し合いができれば一石二鳥です。

へぇ、見た目のデザインをどうするかってことに終始してしまうとホームページは失敗しがちだそうですよ。ホームページで何をするのかってことを明確にしないと、本来見た目すらデザインできないのがホームページらしいです。確かに、現状の村の産直サイトは、求人をしたいサイトなのか、物販をしたいサイトなのか、村をPRしたいサイトなのか、あるいはほかの何かがしたいのか明確でないまま不定期にお知らせで情報を入れているだけですから、開設しているってだけでさほど売上や問い合わせの伸びがないのも、そういうことなのかもしれませんよね。せっかく見に来てくれた人は何のサイトなのかわかりませんし、そういう会社があるってだけのサイトになってしまっていますよね。手順でやってみましょうか。まず、今ある資源を棚卸するようです。

森の村のリソース(人・モノ・カネ・情報)を書き出しましょうか。

山の物産、特産品があります。村内の作物を使って村内の事業所で加工されています。

棚田とか、里山とか、清流とか、そういう自然もあります。
天然記念物とか絶滅危惧種の保護活動もあって、環境保全には力を入れていますよね。化学肥料などを使わないとか、遺伝子操作などをしたものを扱わないとか、生分解しないものを使わないとか。名水にも選ばれています。

昔ながらの暮らしの良さが残っています。

ほたるや、雲海も見られます。朝日や夕日、星空もきれいです。

耕作放棄地とか空き家も入れてもいいのかな。有効活用できたらいいですよね。

神社とかお寺とか古民家とか、そういう歴史的な建物もありますよね。

そういうことなら神事系のお祭りとか、たとえば今日みたいな無形文化遺産的なものもありますよね。春分の日の日の出と日の入りの行事とか。

こうしてみると魅力的なものがたくさんありますね。一つ一つが商品になりそうですが、どれを選べばいいか・・・。もう実際に、ふるさと納税の返礼品にしていたり、道の駅で売っていたりするものもありますし・・。

投資多めの隣町を注視しながら、人口規模が縮んでもみんなが普通に生活ができる水準をキープしていくことを目標に、手持ちの資源の有効活用で横の協力を進めていくっていう方向で、話し合いたい気がしています。

私も賛成です。投資も少ないし、みんなが協力して、みんなに恩恵があるのが、いいのかな、と。

なるべく多くの物産を網羅的に入れ込めて、道の駅とかふるさと納税とか既存の商材に負担もなく、売れなくて捨てるとかの廃棄は少ない何か、そういうものに取り組めればいいんじゃないかと思うんですけれど。

おせちとかどうですか?注文販売が定着しているので、廃棄ロスは少ないですし、設備や人員の稼働も読めますよね。

ロスが少ないということは利幅も増えるということですよね。それに、おせちは縁起物でご祝儀相場感もありますけれど、その一方で実際に各家庭ですべて手作りすると、各家庭それぞれで少量多品種生産をやるようなものなので、原材料費や手間暇などコストもかさみますし、歩掛も悪めですから、そのあたりを考えると買ったほうがトータルでお得だという見方もされやすいのではないかと思います。

手始めとしては、良い感じがします。おせちは品目数も多いので、村の特産物のショーケースにもなりますよね。

おせちで食べて気に入ったもの、素材をふるさと納税や通販、店舗で購入してくれるとか、口コミしてくれるとか、その先に棚田や自然を体験しに来てくれるとか、広がりが出たらいいですよね。

村の特産物の現状は、生産物をすべて当初の計画通りに売り切っているわけではないですし、生産体制もフル稼働というわけでもないので、リソースの稼働率を考えると、おせちの生産能力はありそうですよね。

生産能力でいうと、作付けとか仕込みとかあるので、生産が過剰になった場合の対応策もちょっと考えておいたほうがよくないですか?例えば、おせちと同じイベンタリーで注文生産的な要素のものをあと1~2つ準備しておくとか。同じような素材を使って、別のものに加工できるような。

でしたらクリスマスセットはどうですか?補完できそうな気がします。お肉をメインにドーンと持って来て、付け合わせのお野菜果物関係を、おせちの材料と調整しあうっていうのはどうでしょうか?

どちらも年末ですから、夏野菜が真っ盛りの時期に何か1つ欲しいですよね。とりあえず夏といえばというものとして、BBQセットも追加してみませんか?

仮にそれでちょっと考えてみましょうか。